◆ 設立の趣旨

 21世紀に入り、経済のグローバル化や情報社会の急速な発展に伴い、物の流通のみならず、国境を越えた人の移動が活発になり、地域社会で暮らす外国籍住民の姿が身近に目につくようになってきました。全国には現在すでに200万人を越える外国籍の方々が在住していますが、日本における若年人口の減少の影響も受け、その数は今後ますます増える方向にあると予想されます。地域社会における多民族化、多文化化はもはや避けることのできない趨勢といえるでしょう。日本社会は今、これらのさまざまな背景のもとで育った人々を地域社会における住民として受け入れ、互いに理解し合い、協力し合いながら生活していく必要に迫られています。

 

 国や自治体をはじめとする公的機関は、外国人観光客の呼び込みや留学生の受け入れなどには積極的ですが、日本で生活する一般の外国籍住民の受け入れや彼らに対する支援施策については立ち遅れが目立ちます。日本語習得はもとより、育児やこどもの教育、住居等の生活支援、また多言語での情報提供や相談窓口の設置など、緊急を要する課題は山積しています。

 

 以前から私たちは、文京区などの地域で暮らす外国籍住民を対象に、外国人相談や日本語などの交流・支援活動を行ってきました。今後はこれまでに培った経験を踏まえ、国籍、文化等の違いを越えて互いに尊重しあうことのできる魅力ある地域社会づくりに貢献したいと考え、特定非営利法人COMPASSを設立することにしました。